SONY長短焦点プロジェクター LSPX―P1

プロジェクター使用歴はもう五年になる。現在自宅にテレビは置いていないが、DVDプレイヤーで映画は見るので、五チャンネルサラウンドのオーディオシステムと組み合わせ、プロジェクターを使用している。
といっても画質にこだわるために光量の多い大きな製品を使っているわけではなく、五年前から、会議で使うようなコンパクトな物を使っていた。それでも設置場所には迷った。一軒家でもない限り天井からは吊せない。おのずと、スピーカー、スクリーン、プロジェクターの三つが適した位置に置けるか、引っ越したりインテリアを変える度、考えなければならなくなる。突っ張り棒タイプのメタルシェルフにのせたりしつつ、今の住居ではカメラ用の三脚に固定して使っていた。不格好な三脚付きプロジェクターがいつも部屋の角にあっても仕方ないか、と思っていたところ、家で「DIME」を読んでいたら、とんでもない物を見つけた。
SONYの長短焦点プロジェクター「LSPX―P1」は、スクリーンや壁のすぐ近くに置くと、斜め上方に画を投影するという。これなら、スクリーンと反対側の離れた場所に、突っ張り棒や三脚を置かずに済む。最先端のデザインも気に入り、専用のスタンド「LSPX―PS1」と一緒にソニーストアで注文した。
五月頭に注文した物が、八月下旬にようやく届いた。到着が遅かったので、注文したときの熱は冷めていた。詳しく調べもせずに買ったが、本体とは別にワイヤレスユニットがついており、DVDプレイヤー等からひいたHDMIケーブルはそのワイヤレスユニットに接続するのだという。本体にはスピーカーやバッテリー内蔵だというが、プロジェクターに携帯性など求めていなかった自分にはどうでもよかった。しかし、持ち歩いた「LSPX―P1」を適当な白壁に映してみて、その便利さに心つかまれた。
DVDプレイヤーから離れた場所なのに、一切のケーブルに接続されていない状態で、映像と音声が流れている。長短焦点という特性にのみ心奪われていた自分は、それと同等の長所に、使って初めて気づいた。映画をしっかり見たいときはオーディオシステムとスクリーン併用の定位置で稼働させるのはもちろんだが、たとえば眠れない夜に寝室で映画を見たいときや、資料程度のDVD映像を書斎の壁や机に投影させたりだとか、色々な使い方ができる。
「DIME」で稼いだ原稿料は、「DIME」で紹介された商品を買うことで消えてゆく……。

初出:「DIME」小学館 2016年

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