ダイソン掃除機 DysonV8Fluffy

家電で感動する、という経験を得た。それも、それまでになかった類の真新しい道具というわけではない。世間に普及して数十年は経っている掃除機という道具に関して、とある一企業の商品により予想外の満足感を覚えられたのは、すごいと思う。
ダイソンが日本でテレビCM等をうちだし、同社のサイクロン式の掃除機が認知されていって、もう一〇年くらい経つはずだ。「へえ、ダイソンの掃除機って、吸引力がすごいらしいし、見た目もオシャレだなぁ」くらいには思っていたが、なんとなくそう思うだけで終わっていた。大学時代に半年間だけ一人暮らしをしたことがあったのだが、その際に買った東芝製の紙パック式掃除機でもじゅうぶん事は足りていたし、壊れないし、買い換えの必要性を感じていなかった。
このコーナーにも以前書いたが、今から一年ほど前、ダイソンのタワーファンを買った。その機能とデザインには、魅了された。上下には首が動かないから、室内で洗濯物を干す際なんかには国産の従来式の扇風機が必要だが、書斎等での普段使いには、もっぱらタワーファンを使っている。デザインがいいというのは、所有者にかなりの満足感をもたらすのだと知った。
その経験をふまえて手に入れたコードレスクリーナー「Dyson V8 Fluffy」は、同社のタワーファン以上の感動をもたらした。ただの掃除機なのに、である。持ってみて、まるで子供のおもちゃみたいに、コンパクトで軽いと思った。使ってみると、本当に、「吸引力が違う!」
吸引力が違う――その言葉をテレビCMを通じ何度も聞かされてきたはずなのに、本体のトリガーをひいてみるまで、まるでわかっていなかった。吸引力が、本当に違った。従来式の掃除機では、床の上から風力で吸い取りにまわりました、という感じであるのに対し、ダイソン製は、床にへばりついてなにがなんでも吸い取るぞ、という粘り強さを感じる。
なにより、コードレスでここまで吸えるというのが、掃除に革命をもたらしたように思う。同じダイソン製でも、コードレスタイプが絶対的におすすめだ。一見綺麗だと思っていた家の床を気軽に吸ってまわっただけで、本体内の透明部分に綿埃の大きな塊ができる。今まで吸えていなかった埃が吸えているのだと、視覚的にわかる。あとは、一〇年使っていた国産製と同等の耐久性が検証できれば、完璧だ。

初出:「DIME」小学館 2017年

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