東芝 冷蔵庫 GR-K460FD-ZW

二〇〇九年に四五平米の中古マンションを買い東京の府中市へ引っ越した際、親から容量四〇〇リットル台の三菱製冷蔵庫を買ってもらった。二〇一五年初頭、マンションを売り都心の二四平米1kの賃貸マンションへ引っ越した当日、絶望した。荷物を減らして越してきたつもりだが、元いた場所から約半分の狭い部屋に引っ越すと、足の踏み場がなかった。すぐに粗大ゴミ集荷の手配をし、ヤフーオークションで色々な大きな物を出品しまくった。大きすぎる冷蔵庫も、売り払った。
売り払ってすぐ、シャープ製の容量二〇〇リットル未満の冷蔵庫を買った。キッチンがあまりにも狭いため、冷蔵庫の上に電子レンジが置けることが条件だった。両開きタイプのそれは便利だったが、自炊派の自分としては、容量が小さすぎた。
今の住居に引っ越しても、二〇一七年二月まで、それを使い続けた。僕は自炊する際、同じ物を大量に作り、冷凍と冷蔵で分けて保存する。だからブラジル産モモ肉で鳥ハムを四キロ分作ろうものなら、それだけで冷凍室が埋まってしまった。余裕がないから卵やケチャップ、マヨネーズ、根菜類は庫外で常温保存し、肉や葉野菜、納豆なんかを冷蔵庫にしまった。
冬場はそれでもつものの、夏場に水出しコーヒーやペットボトル入りのコーラを冷やすとなると、いちいちパズルのように考えないと物をしまえなくなる。すると、納豆を食べる際なんかにちょっとネギを切ることや、サラダとしてキャベツをみじん切りすることが億劫になり、野菜の摂取不足なんかに繋がった。
五三平米の今の部屋に引っ越し一年以上経つのに、自分はなにを小さな冷蔵庫に己の食生活を振り回されているのだ。そう思った二月は、低めの気温からして、冷蔵庫の入れ替えにちょうど良い時期だった。葉野菜やその他瓶詰めの物なら、台所に置いていてもギリギリ一週間くらいはもつ。リサイクルショップにシャープの冷蔵庫を引き取りに来てもらった当日、ヤマダ電機のネットショップで、東芝の冷蔵庫GR-K460FD-ZWを注文した。
四六二リットルの容量は十分だが、容量や消費電力など、各メーカーから似たようなものが出ている。決め手だったのは、野菜室が真ん中にあるということだった。野菜室が真ん中にある冷蔵庫を作っているのは、どういうわけか二メーカーほどしかない。それがどうしてなのかはわからない。調理をする際、最も頻繁に利用するのは野菜室のはずだ。調理をする人の意見を取り入れたら、ほとんどの大容量冷蔵庫ではそれが主流になりそうなものだが、一番下が野菜室となっている製品が多い。
それとデザインに関し、はじめは、表面がミラーになっているものに憧れた。しかしそれらは、ミラーになっているのは表の扉だけで、他の部分は圧迫感のあるグレーだったりする。設置場所の関係上、どうしても冷蔵庫側面が見えるようにしか設置できない。GR-K460FD-ZWは、全面が白で、扉はガラスになっていて圧迫感がなくスタイリッシュだったから、その点も良かった。
購入して半年近く経つが、自炊の質が向上した。あとは、故障した際なんかに、東芝の保証が効くかどうかが気になる。六〇代の母が最初に就職したのは東芝で、府中にマンションを買うことを僕に母がすすめてきたのもたぶん、東芝のある府中になじみがあったからだと思う。僕も府中に住んでいた当時、サイクリング中にたまに間違って、東芝の敷地内のスロープに入ってしまったりしていた。という個人的な縁も感じているので、東芝には頑張ってほしい。

初出:「DIME」小学館 2017年

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