斜めドラム式洗濯機 パナソニックNA-VX9700L

夏に洗濯機が壊れた。八年前に、中古マンションへの引越祝いとして、親から買ってもらった縦型洗濯機だ。脱水ができなくなった。スタートボタンを押してから一時間弱した頃、ピピピというアラームが鳴る。「すすぎ」に入る前の短時間の脱水もできないから、洗濯後、洗剤が溶けた液体を吸った洗濯物がべちゃっと残った。数ヶ月前からたまに脱水がストップするという予兆はあったが、いよいよ寿命を迎えたのだ。
というわけで新たな洗濯機を探す。社会学者の古市憲寿さんが以前本の中で、購入したドラム式洗濯機が衣類を傷めまくると書いていたので、ドラム式洗濯機については懐疑的だった。それに「DIME」の記事によれば、縦型洗濯機の新製品で、ものすごく細かい泡で繊維を洗うものも出てきたらしい。
乾燥に関してはどうか。売れない小説家の頃だったら洗濯物干しという家事も気分転換になったが、最近は忙しく、夜帰宅し翌日までに衣装を洗濯、乾燥させなければならない局面もある。それに梅雨時や冬に室内干しすると、懸垂台がふさがってしまい懸垂ができない。
家電量販店へ見に行って話を聞いた。すると、洗浄力に関してはパナソニックの斜めドラム式洗濯機の上位機種が最も優れていると聞いた。
デザインの良さから、同社のCuble NA-VG8700Lが気になってはいた。しかし、最大容量や乾燥等の機能性に関しては、NA-VX9700Lのほうが優れているという。二〇万円以上と売り場で最も高価な洗濯機だが、家事の道具は見た目より機能性が大事だろう。NA-VX9700Lを購入することに。ところが店員の説明によれば、最短の搬入日が三週間後の八月頭になるとのことだった。
八月半ばにミュージカル出演の仕事があったため、その一ヶ月前から、稽古場での練習の日々が続く。汗で濡れた衣服を、二~三日分たまったら壊れた洗濯機で洗剤なしで洗い、洗面台で絞って干す。洗濯機の脱水が機能しないだけで、毎日の家事がこんなにも大変になるのかと思い知らされた。
NA-VX9700Lが搬入されると早速、洗濯から乾燥までの全自動コースを使ってみた。約四時間ですべての作業が行われ、洗濯物が乾ききっていることに感動した。それから数ヶ月使ってみての感想だが、洗浄能力は本当に高い。衣類の襟や袖部分が少しずつ色落ちするくらいだ。乾燥機能に関して、プリントTシャツなんかは痛むし化学繊維は熱に弱いから、いったんすべての洗濯物を洗濯し、部屋干しで乾かす物だけ数点取り除いた後、他はすべて乾燥機にかける、という使い方をしている。もう、縦型と比べて多少色落ちしようが、下着などの細々とした物をピンチにかけていくとった面倒くさい作業には戻れない。実家で縦型洗濯機を使っている両親にも買ってあげようかとも思うが、悩みどころだ。便利すぎてやることがなくなると、人は駄目になってゆくだろうし。

初出:「DIME」小学館 2017年

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