2018年1月8日 / 最終更新日 : 2018年1月8日 羽田圭介 感想・レビュー 『武曲』藤沢周 文藝春秋~「世界で一つの剣筋で書かれた小説」 「雪の一片でも、桜の花片でも、突かなければならぬ。斬るのではない。」という一行目から、読み手は身動きを取れなくなる。登場人物の身体感覚に同化させられるのを、避けられないのだ。 本作には二人の主人公が登場する。 そのうちの […]
2018年1月8日 / 最終更新日 : 2018年1月8日 羽田圭介 感想・レビュー 『去年の冬、きみと別れ』中村文則 幻冬舎刊 主題やテーマそのものを軸にしたまま徹頭徹尾描かれる小説というものは実に少ない。たとえば旅小説の類いは「旅」を舞台とした「人との出会い小説」へ、本格派以外のミステリー小説はごくわずかなミステリー要素を軸とした「人情小説」あ […]
2018年1月8日 / 最終更新日 : 2018年1月8日 羽田圭介 感想・レビュー 『殺人出産』村田沙耶香 講談社刊~「クスクスのあとに注意」 「産み人」となり一〇人子どもを産んだら、自分が望む任意の人間を一人殺していい。 外国から導入された「殺人出産システム」が施行される世界には、〈子供は人工授精をして産むものになり、セックスは愛情表現と快楽だけのための行為〉 […]