2018年1月8日 / 最終更新日 : 2018年1月8日 羽田圭介 感想・レビュー 『僕が殺した人と僕を殺した人』東山彰良 文藝春秋刊 二〇一五年、アメリカの各州で少年ばかりを七人手にかけてきた殺人鬼、「袋男(サックマン)」なる男が、捕まる。台湾の伝統的な人形劇、布袋劇をやっていると自己紹介し、新たに十一歳の少年を車で連れ去ろうとしたところを、警官におさ […]
2018年1月8日 / 最終更新日 : 2018年1月8日 羽田圭介 イベント 2015年 第1期叡王戦決勝三番勝負 第1局観戦記(ドワンゴ「ニコニコ動画」) 一二月六日、日曜日。午前八時に起床。前日の仕事が深夜まであり、寝不足気味。朝食もとらずに、家を出た。 叡王戦の観戦記執筆の依頼を受けたのは、他の作家たちがやっていたから、であった。 正確にいうなら、青山七恵さんや朝吹真理 […]
2018年1月8日 / 最終更新日 : 2018年1月8日 羽田圭介 感想・レビュー 『火花』又吉直樹 文藝春秋刊~「その人の目で自分を」 小さな事務所に所属する漫才コンビ“スパークス”の徳永は、熱海の花火会場を目指し歩く人たちへ向けた舞台に立つ。 〈沿道から夜空を見上げる人たちの顔は、赤や青や緑など様々な色に光ったので、彼等を照らす本体が気になり、二度目の […]
2018年1月8日 / 最終更新日 : 2018年1月8日 羽田圭介 感想・レビュー 『武曲』藤沢周 文藝春秋~「世界で一つの剣筋で書かれた小説」 「雪の一片でも、桜の花片でも、突かなければならぬ。斬るのではない。」という一行目から、読み手は身動きを取れなくなる。登場人物の身体感覚に同化させられるのを、避けられないのだ。 本作には二人の主人公が登場する。 そのうちの […]
2018年1月8日 / 最終更新日 : 2018年1月8日 羽田圭介 感想・レビュー 『去年の冬、きみと別れ』中村文則 幻冬舎刊 主題やテーマそのものを軸にしたまま徹頭徹尾描かれる小説というものは実に少ない。たとえば旅小説の類いは「旅」を舞台とした「人との出会い小説」へ、本格派以外のミステリー小説はごくわずかなミステリー要素を軸とした「人情小説」あ […]
2018年1月8日 / 最終更新日 : 2018年1月8日 羽田圭介 感想・レビュー 『殺人出産』村田沙耶香 講談社刊~「クスクスのあとに注意」 「産み人」となり一〇人子どもを産んだら、自分が望む任意の人間を一人殺していい。 外国から導入された「殺人出産システム」が施行される世界には、〈子供は人工授精をして産むものになり、セックスは愛情表現と快楽だけのための行為〉 […]